「片付けても、すぐ物が出しっぱなしになる」
「物の住所を決めるといいらしいけれど、どこに置けばいいのか分からない」
「収納場所を決めたはずなのに、気づくとまた散らかっている」
こんなふうに感じることはありませんか。
片付けが続かないと、自分がだらしないのかな、と落ち込むこともありますよね。
でも、物が散らかる原因は性格だけではありません。
戻す場所が決まっていなかったり、決めた場所が遠かったりすると、どんな人でも出しっぱなしになりやすくなります。
そこで考えたいのが「物の住所」です。
物の住所とは、使ったあとに戻す定位置のこと。
リモコンはテレビ台、鍵は玄関のトレー、ハサミはリビングの引き出し、というように、物ごとに帰る場所を作ります。
この記事では、物の住所が決められない理由と、暮らしに合う収納場所の決め方をまとめました。
おしゃれな収納にそろえる必要はありません。
まずは、よく散らかる物をひとつだけ選んで、戻しやすい場所を探してみましょう。
物の住所とは、戻す場所を決めること

物の住所というと、少しかしこまった言葉に聞こえるかもしれません。
やることはシンプルで、物を使ったあとに戻す場所を決めるだけです。
たとえば、次のような場所です。
- 爪切りはリビングの小物ケース
- 鍵は玄関のトレー
- 充電器はテレビ台の引き出し
- ゴミ袋はゴミ箱の近く
- 学校プリントは専用トレー
住所が決まっている物は、片付けるときに迷いません。
反対に、住所がない物は「とりあえずここに置こう」となりがちです。
最初は一つだけでも、郵便物、文房具、充電器、子どものプリントが重なっていくと、テーブルの上はすぐ雑然として見えます。
片付けが苦手な場合ほど、きれいに並べることより「どこへ戻すか」を先に決めるほうがラクです。
使うたびに考えなくて済む。
それだけで、片付けの負担はずいぶん軽くなります。
物の住所が決められない理由

物の住所を決めようとしても、なかなかうまくいかないことがあります。
その多くは、収納のセンスがないからではなく、場所の決め方が暮らしに合っていないためです。
使う場所から離れている
物は、使う場所の近くにあるほど戻しやすくなります。
リビングでよく使うハサミを別の部屋のデスクにしまっていると、使ったあとに戻すのが面倒です。
玄関で郵便物を開けるなら、ハサミやペンが玄関近くにあってもかまいません。
「文房具だから文房具コーナーへ」と種類だけで考えると、実際の動きと合わないことがあります。
どこで使っているか。
まずはここを基準にすると、住所を決めやすくなります。
収納がいっぱいで戻しにくい
収納場所を決めても、中がぎゅうぎゅうだと戻す気がなくなります。
取り出すときは何とか出せても、戻すときに引っかかる。
箱のふたが閉まらない。
引き出しの中でほかの物とぶつかる。
こうなると、出しっぱなしになっても不思議ではありません。
収納には少し余白が必要です。
ぴったり入る状態より、ざっくり戻せるくらいのゆとりがあるほうが毎日は続きます。
家族に場所が伝わっていない
自分では分かっていても、家族には分かりにくい場所があります。
リモコン、爪切り、充電器、文房具のように家族みんなが使う物は、特に散らかりやすいものです。
戻す場所が分からなければ、使った人は近くの棚やテーブルに置きます。
あとで「あれ、どこに行った?」と探すことにもなります。
家族で使う物は、きれいに隠すより、見てすぐ分かることを優先しましょう。
透明ケースに入れる、ラベルを付ける、よく使う場所の近くに置く。
小さな工夫で、戻してもらいやすくなります。
とりあえず収納に入れている
片付けている最中は、空いている場所へ入れたくなることがあります。
見える場所から物が消えるので、その場では片付いたように感じますよね。
でも、使う場所や頻度を考えずにしまうと、あとで使いにくくなります。
「どこに入れたっけ」
「出すのが面倒だから、このまま置いておこう」
そんな状態になるなら、その場所は住所として合っていないのかもしれません。
物の住所は、隠す場所ではなく、戻しやすい場所です。
ここを間違えないだけでも、散らかり方は変わります。
物の量が多い
物が多すぎると、一つひとつに住所を作るのが難しくなります。
ボールペンがあちこちから出てくる。
エコバッグが何枚もある。
充電ケーブルがいくつもあって、どれを使っているのか分からない。
この状態で収納場所だけを決めようとしても、すぐあふれてしまいます。
いきなり捨てる必要はありません。
まずは「今使っている物」と「あまり使っていない物」を分けるだけで十分です。
使っている物が見えてくると、どこに置けばいいかも考えやすくなります。
物の住所を決める前に、まず量を見る

収納用品を買う前に、一度だけ物を集めてみてください。
家中を一気に片付ける必要はありません。
文房具だけ、充電器だけというように小さく始めます。
同じ種類の物を集めると、持っている量が見えてきます。
「ペンがこんなにあった」
「使っていないケーブルが混ざっていた」
こうしたことに気づくと、収納場所に必要な広さも分かります。
次に、使っている物と使っていない物を分けます。
ここで無理に処分しようとすると、手が止まりやすくなります。
迷う物は保留で大丈夫です。
まずは、今よく使っている物を見つけましょう。
毎日使う物は、手に取りやすい場所へ。
月に数回だけ使う物は、少し奥や高い場所でも困りません。
全部を同じ条件で収納しようとすると、よく使う物まで取り出しにくくなります。
物の住所の決め方

住所を決めるときは、空いている収納に入れるのではなく、日々の動きに合わせます。
考える順番は、次のようにすると迷いにくくなります。
- どこで使うか
- どのくらい使うか
- 戻すまでの動作が少ないか
- 家族にも分かるか
- 収納に余白があるか
最初に見るのは、使う場所です。
リビングで使う物はリビングに。
キッチンで使う物はキッチンに。
玄関で使う物は玄関に置きます。
文房具だから文房具棚、掃除用品だから納戸、と決めなくてもかまいません。
暮らしの中で本当に使う場所を優先したほうが、戻す動作は自然になります。
次に、使う頻度を考えます。
毎日使う物は、引き出しの手前や棚の中段など、少ない動作で取れる場所へ。
たまに使う季節用品や予備の物は、少し不便な場所でも大丈夫です。
よく使う物ほど特等席へ。
たまに使う物は控えめな場所へ。
このくらいの感覚で分けると、収納全体が使いやすくなります。
そして、戻しやすさも大切です。
扉を開ける、箱を出す、ふたを開ける、仕切りに合わせてきれいに入れる。
毎回これが必要だと、忙しい日は戻せません。
よく使う物は、カゴに入れるだけ、引き出しへ戻すだけ、フックに掛けるだけ。
これくらい簡単なほうが続きます。
家族が使う物には、ラベルも役立ちます。
おしゃれな表記より、「文房具」「充電器」「学校プリント」など、普段使っている言葉のほうが伝わります。
小さなお子さんが使う場所なら、文字だけでなく絵や色で分けてもよいでしょう。
物の住所を決める手順

手順は難しくありません。
まず、住所を決めたい物を一か所に集めます。
家中の物を全部出すのではなく、文房具なら文房具だけ、充電器なら充電器だけで十分です。
次に、今使っている物を選びます。
毎日使う物、週に何度か使う物、ほとんど使っていない物に分けると、置く場所が決めやすくなります。
よく使う物は、使う場所の近くへ置きます。
リビングで書類を書くなら、ペンやハサミはリビングにあっても自然です。
キッチンで使う輪ゴムや保存袋は、調理中に手が届く場所が向いています。
置き場所が決まったら、家にあるカゴや空き箱で試してみましょう。
ここでいきなり収納用品を買いそろえると、サイズが合わなかったり、思ったより使いにくかったりすることがあります。
まずは仮置きで様子を見るほうが失敗しにくいです。
数日使ってみて、戻しやすいと感じたら住所として採用します。
戻しにくい、家族が戻してくれない、思ったより使う頻度が高い。
そう感じたら場所を変えて大丈夫です。
物の住所は、一度決めたら終わりではありません。
暮らしに合わせて動かしてよいものです。
場所別の具体例

物の住所は、部屋ごとに考えると決めやすくなります。
ここでは、散らかりやすい場所を中心に例を紹介します。
リビング
リビングには、家族が使う小物が集まりやすいです。
リモコン、文房具、爪切り、充電器、ティッシュ、書類。
どれも小さいのに、出しっぱなしになると一気に散らかって見えます。
よく使う物は、リビングの中に小さな住所を作ります。
リモコンはテレビ台の上か浅いトレーへ。
文房具は棚の中のケースへ。
充電器や爪切りは、家族が分かる小物入れへ。
見た目が気になる場合は、ふた付きのボックスやかごを使うと目立ちにくくなります。
ただし、毎日使う物は隠しすぎると戻しにくくなるので、出し入れのしやすさも見てください。
キッチン
キッチンでは、調理中の動きに合わせて置き場所を決めます。
ラップや保存袋は作業台の近く。
輪ゴムは袋を閉じる場所の近く。
ゴミ袋はゴミ箱のそばにあると、交換のときに探さずに済みます。
調味料は、使いやすさだけでなく掃除のしやすさも考えたい場所です。
油はねが気になるなら、出しっぱなしにせず引き出しへ入れるほうが合う場合もあります。
キッチンは物が増えやすいので、便利そうな収納を足す前に、今ある物の量を見ておくと安心です。
洗面所
洗面所は、朝の身支度や洗濯で使う物が多い場所です。
ドライヤー、スキンケア用品、タオル、洗剤、歯ブラシのストックなどは、使う人や使う場面で分けると管理しやすくなります。
家族それぞれのスキンケア用品は、カゴで分ける。
ドライヤーは引き出しやフックへ。
洗剤のストックは洗濯機の近くへ。
水まわりなので、詰め込みすぎないことも大切です。
床に直接置かないだけでも、掃除はしやすくなります。
玄関
玄関は、出かける前と帰宅後の動きで考えます。
鍵、マスク、印鑑、エコバッグ、雨具、帽子などは、玄関にあると使いやすい物です。
鍵はトレーやフック。
マスクは靴箱の上や引き出し。
エコバッグはドア近くのフック。
使うタイミングに合わせて置くと、忘れ物も減らせます。
玄関は人目に入りやすい場所でもあります。
見せたくない物は扉付き収納やかごへまとめると、出しやすさと見た目を両立しやすくなります。
子どもの物
子どもの物は、大人が片付けやすい場所ではなく、子どもが戻せる場所にします。
ランドセル、帽子、ハンカチ、学校プリント、習い事バッグなどは、毎日の動きに合わせて決めると続きやすくなります。
帰宅後すぐ置ける場所にランドセル置き場を作る。
プリントは親が確認しやすいトレーへ入れる。
ハンカチやティッシュは朝の準備をする場所に置く。
子どもの収納は、細かくきれいにしまうより「ここに入れればOK」と分かることを優先したほうがうまくいきます。
物の住所を決めても散らかるとき

住所を決めたのに散らかるときは、失敗ではありません。
その場所が今の暮らしに合っていないと分かっただけです。
少し見直してみましょう。
まず、戻すまでの動作が多すぎないか確認します。
扉を開けて、箱を出して、ふたを開けて、中の仕切りに合わせて入れる。
これを毎回するのは、なかなか大変です。
毎日使う物は、カゴに入れるだけ、引き出しへ戻すだけ、フックに掛けるだけに近づけます。
次に、収納場所が遠すぎないか見ます。
リビングで使う充電器を寝室に置いていれば、リビングに残りやすくなります。
キッチンで使うハサミが別の部屋にあれば、戻すのは後回しになります。
使う場所の近くに小さな収納を作れないか考えてみてください。
収納用品が合っていないこともあります。
ふたが固い、中身が見えない、仕切りが細かすぎる、サイズが合っていない。
見た目がよくても、毎日使いにくい収納は続きません。
家族が戻してくれない場合は、場所が伝わっていないのかもしれません。
ラベルがない、ケースの中身が見えない、分類が細かすぎる。
こうした収納は、使う人によっては分かりにくくなります。
「ここに入れてくれたらOK」くらいゆるく決めるほうが、家族には伝わりやすいこともあります。
最後に、物が増えすぎていないかも見ておきましょう。
最初は入っていたのに、だんだん戻せなくなったなら、収納に対して物が多くなっている可能性があります。
全部を一気に見直さなくても大丈夫です。
まずは一つの引き出し、一つのカゴからで十分です。
続けるコツは、きっちり決めすぎないこと

物の住所は、細かく決めるほど整って見えます。
でも、毎日使う収納では、細かさが負担になることもあります。
ペンはここ、ハサミはここ、のりはここ、と分けるより、「文房具はこのボックス」と決めたほうが戻しやすい人もいます。
充電器も、コードの種類ごとに分けるより、よく使う物だけ小さなカゴへ入れるほうが続く場合があります。
片付けが苦手なら、まずはざっくりで大丈夫です。
毎日使う物はワンアクションで戻せる場所へ。
たまにしか使わない物は、ふた付きボックスや少し奥の収納へ。
使用頻度で収納の手間を変えると、無理が少なくなります。
一時置き場も、うまく使えば散らかり防止になります。
郵便物を一時的に置くトレー、あとで確認する書類のボックス、帰宅後のバッグ置き場など、仮に置ける場所があるとテーブルや床に広がりにくくなります。
ただし、一時置き場は何でも入れる場所にしないほうがよいです。
「郵便物だけ」「週末に見る書類だけ」など、入れる物を決めておきましょう。
いっぱいになったら見直す、週に一度だけ確認する、くらいのゆるいルールがあると続きます。
暮らしが変われば、使いやすい住所も変わります。
子どもの成長、仕事の変化、家族の生活リズム。
以前は合っていた収納が、今は合わなくなることもあります。
物が出しっぱなしになることが増えたら、見直しの合図です。
使う場所が変わっていないか、物が増えていないか、戻す動作が多くなっていないかを見てみましょう。
よくある迷い

最初から、家中すべての物に住所を決める必要はありません。
リモコン、文房具、充電器、郵便物など、出しっぱなしになりやすい物から始めてください。
一つ決まるだけでも、部屋の印象は変わります。
家族が元に戻してくれないときは、注意する前に場所を見直してみます。
遠い、分かりにくい、細かすぎる。
このどれかに当てはまると、戻すのは面倒になります。
ラベルを付ける、収納場所を近づける、ざっくり入れられるカゴにするだけで変わることがあります。
収納用品は、物の量と置き場所が決まってから選ぶほうが失敗しにくいです。
先に買うと、サイズが合わなかったり、思ったより出し入れしにくかったりします。
まずは家にあるカゴや空き箱で試して、使いやすいと分かってから買い足しましょう。
物の住所は、毎月きっちり見直さなくても大丈夫です。
出しっぱなしが増えたとき、収納がいっぱいになったとき、家族が探し物をすることが増えたとき。
そのタイミングで少し直せば十分です。
まとめ
物の住所とは、使ったあとに戻す定位置のことです。
住所が決まっていると、片付けるたびに「これはどこへ置こう」と考えなくて済みます。
決めるときは、使う場所の近くに置くこと、よく使う物ほど取り出しやすくすること、収納に少し余白を残すことを意識してみてください。
家族で使う物は、見て分かる場所にすることも大切です。
最初から完璧な収納を作らなくても大丈夫。
まずは、よく散らかる物を一つ選びます。
リモコンでも、充電器でも、郵便物でもかまいません。
戻しやすい住所が一つできるだけで、片付けの負担は少し軽くなります。
物の住所は、暮らしに合わせて変えてよいものです。
今の生活に合う場所を、少しずつ見つけていきましょう。

